育成とは

数年前に読ませていただいた高原慶一郎著「やる気 やるチャンス やる力」~ビジネスで成功する100の知恵~(日本経済新聞社)のなかにこんなコメントがありました。


「松の木は松の木に育てる」


盆栽好きの人が盆栽をいじるときは、その姿かたちを自分の好みに合わせてきれいに揃える。邪魔な枝は切り、伸びようとする枝を曲げる。だがお百姓さんが野菜を育てるのにこんな剪定はしない。大きいニンジンも小さいニンジンも、まっすぐなキュウリも曲がったキュウリも凹のナスも凸のナスもみなん育て、それなりに生かして収穫する。企業における人づくりも盆栽型でなく野菜型であるべきである。盆栽は「矯正」だが野菜は「育成」だからである。(中略)ある幹部が「うちの部署はクセモノ揃いで・・・」と嘆いたので、そこがキミの腕の見せ所じゃないかとはっぱをかけたことがある。圭角のある人間、頑固な部下、生意気な若手、そうしたクセのある「野菜」をそれなりに使いこなすのが上司の役割なのである。(中略)土光敏夫さんが「松の木は松の木に育てよ」といっている。


自分に合わせて人を育てるな、人に合わせて人を育てよ。

松を梅として育ててはいけないということだ。




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